『 癌 』

 5か月ほど前、義兄が小細胞肺癌と診断されました。
男兄弟がいない私には、秘かに最も頼りにしていた義兄でした。

 

先日、母が終末期を迎えたと宣言されて、まさかの時には、色々と相談に乗ってほしいと思っていた矢先の癌の宣告です。
症状は重篤でステージは4!

 

手術は出来ないくらいに組織にへばりつき、すぐに抗癌剤の治療を始めますとのこと。
CTの画像を見ながらの医師の説明は、努めて平静を装っているのかもしれないが、なんとも事務的である。
4クールのつらい、つらい、いろんな意味でのつらい、急を要する抗癌剤治療の決定である。

 

お互いに、いつ、何が起きてもおかしくない年代に差し掛かっていると、ボンヤリながら覚悟しているとは言え、突然、現実的に生死の問題を突きつけられると、強がりが言えないくらいにモロイ。

 

強がっている様子が見て取れる義兄を、それでも「治療をすれば大丈夫だから」と何の根拠もない励ましをして、帰路に着いた。

 

帰る途中の頭の中は、ついに自分たちの番がやってきたんだなと、改めて覚悟しなければいけないなと心に言い聞かせた。

 

姉との結婚以来、長い付き合いの義兄!
お互いの家族の喜び、悲しみ、行事ごとの一つ一つを分け合って過ごしてきて、やっと穏やかな日々が訪れて、今が一番いい時間を過ごしていたはずだったのに・・・

 

なんとも寝苦しい夜でした。